問題:
特発性肺線維症の症状・身体所見で誤っているのはどれか。
- a. ばち指
- b. 湿性咳嗽
- c. 体重減少
- d. fine crackles
- e. 労作時呼吸困難
【答えを表示】
正解:b. 湿性咳嗽
最低限これだけ覚えろ!【解説①】
・特発性肺線維症(IPF)は乾いた咳が特徴。
→ 湿性咳嗽(痰がらみ)は誤り!
・労作時呼吸困難、fine crackles(捻髪音)、ばち指は典型。
・進行すると体重減少も起こる。
普通の解説【解説②】
特発性肺線維症(Idiopathic Pulmonary Fibrosis:IPF)は、
肺がだんだん固くなって、酸素を取り込みにくくなる病気。
湿性咳嗽(痰のからむ咳)は、気道感染やCOPDなどの所見。
IPFの咳は乾性咳嗽=乾いた咳が主で、痰は少ない。
その他の選択肢はすべて正しい所見: – fine crackles(捻髪音)=聴診でバリバリという音(特に背中下部)
– 労作時呼吸困難=典型的初期症状
– ばち指=進行例で出現する末梢循環障害のサイン
– 体重減少=進行期に全身状態が悪化して起きる
超わかりやすくて詳しい解説【解説③】
◆ 特発性肺線維症(IPF)ってどんな病気?
原因不明で、肺の組織がじわじわと線維化(硬く)なっていく病気です。
→ 肺がふくらみにくくなり、酸素をうまく取り込めなくなる。
→ これによって慢性的な呼吸不全が進行していきます。
◆ どんな症状が出る?
1. 乾いた咳(乾性咳嗽):痰のない、コンコンという咳。
→ 咳が続くけど痰はほとんど出ないのが特徴。
2. 労作時呼吸困難:階段や坂道で息が切れる。
3. fine crackles(捻髪音):肺の下の方でバリバリ・パリパリという音が聴こえる。
→ 髪の毛をこすったような音。肺が固くなっている証拠。
◆ 進行するとどうなる?
・肺がガチガチに固くなると、酸素をうまく取り込めない → 低酸素血症
・全身の代謝が落ちて体重減少やばち指(SpO2低下による末梢循環障害)が出てくる
◆ 選択肢b「湿性咳嗽」って?
痰がからむような咳=湿性咳嗽は、
→ 気道感染・COPD・気管支拡張症など、気道由来の疾患に多い。
IPFは肺胞レベルの線維化なので、痰はほとんど出ません。
乾性咳嗽を認める疾患は他にもある?
はい、実は乾いた咳(乾性咳嗽)を特徴とする疾患はIPF以外にもいくつかあります。
ここで代表的なものを覚えておくと、鑑別診断の幅が広がります!
- 間質性肺炎全般:
IPF以外にも膠原病関連間質性肺疾患、薬剤性、アレルギー性など
→ 線維化・肺胞障害が主体なので痰は少なく乾いた咳に。 - 肺結核(初期):
発症初期や浸潤期では乾いた咳が続くことがある。 - 百日咳:
咳嗽が非常に強く、乾性で発作性(特にカタル期)。 - ACE阻害薬の副作用:
高血圧治療薬によって引き起こされる有名な副作用。
→ チリチリするような乾いた咳が特徴。 - 咳喘息:
喘鳴や呼吸困難はないけれど、乾いた咳だけが持続する。
→ 乾性咳嗽=IPFだけではない!
でもIPFではfine cracklesや労作時呼吸困難が伴うことが多く、
それらとのセットで見極めることが大切です。
◆ まとめ
IPFの咳は乾いた咳! 湿性じゃない!
典型3セット:「乾いた咳」「労作時呼吸困難」「fine crackles」
進行すると「ばち指」「体重減少」も加わってくる。











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