問題:
疾患とその原因の組合せで誤っているのはどれか。
- a. 肝細胞癌 ― 肝硬変
- b. 食道腺癌 ― Barrett食道
- c. 胆道癌 ― 先天性胆道拡張症
- d. 膵管癌 ― 膵・胆管合流異常症
- e. 胃癌 ― ヘリコバクター・ピロリ感染症
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正解:d. 膵管癌 ― 膵・胆管合流異常症
最低限これだけ覚えろ!【解説①】
・膵・胆管合流異常症(PBM)は胆道系のがんリスク↑ → 胆道癌や胆嚢癌は正解 → でも膵臓がんの原因とはされない!
→ よって、dは誤り!
普通の解説【解説②】
それぞれの組み合わせを見ていくと、dだけ不自然。
– a. 肝細胞癌 ― 肝硬変:◎
肝硬変は肝細胞癌の最も代表的な危険因子。特にC型肝炎由来。
– b. 食道腺癌 ― Barrett食道:◎
胃酸逆流で食道下部が腸上皮化生 → Barrett食道 → 腺癌リスク↑
– c. 胆道癌 ― 先天性胆道拡張症:◎
胆汁うっ滞+慢性炎症 → 胆道上皮の発がん
– d. 膵管癌 ― 膵・胆管合流異常症:❌
PBMは膵液が胆道に逆流する異常。
→ 胆道癌(胆嚢癌や胆管癌)のリスク因子ではあるが、膵がんとの因果関係は明確でない
– e. 胃癌 ― ピロリ菌感染:◎
慢性胃炎→萎縮性胃炎→腸上皮化生→発がん、という有名な流れ
超わかりやすくて詳しい解説【解説③】
◆ この問題のテーマは「有名ながんの原因は?」
選択肢はどれも、「この病気って何が引き金になるんだっけ?」を試してきます。
1つだけ、関連があやしい選択肢を見抜けるかがカギ。
▶ a. 肝細胞癌 ― 肝硬変(正解)
- 肝硬変は肝細胞癌の最大のリスク因子
- 原因:C型肝炎・B型肝炎・アルコール性肝障害など
- → 慢性炎症と再生の繰り返しでがん化する
▶ b. 食道腺癌 ― Barrett食道(正解)
- 胃酸が逆流すると、食道の下の粘膜が胃っぽく変わる(腸上皮化生)
- この変化をBarrett食道と呼ぶ → ここから腺癌が生まれやすくなる
- → 特に欧米では増加傾向
▶ c. 胆道癌 ― 先天性胆道拡張症(正解)
- PBMを伴う胆道拡張症では、胆汁うっ滞+慢性炎症が続く
- → 胆道上皮が刺激を受けて、胆道癌や胆嚢癌に進行する
▶ d. 膵管癌 ― 膵・胆管合流異常症(誤り)
- 膵・胆管合流異常(PBM:pancreaticobiliary maljunction)では、膵液と胆汁が本来分かれているべき場所で混ざってしまう
- → 胆道系がんのリスクは↑する(特に胆嚢癌)
- でも、膵臓側に関しては明確な発がんリスクとはされていない
- → だからこの組み合わせは誤り!
▶ e. 胃癌 ― ヘリコバクター・ピロリ感染症(正解)
- ピロリ菌は胃の中に住み着いて、慢性胃炎を起こす
- → 時間が経つと、萎縮性胃炎 → 腸上皮化生 → 胃癌という流れになる
- → 世界中で最も「予防可能ながん」の一つとも言われる
▶ 補足:膵・胆管合流異常(PBM)とは?
PBM(pancreaticobiliary maljunction)は、膵管と胆管が十二指腸よりも外(肝外)で合流してしまう先天的な異常です。
通常より早く合流してしまうことで、膵液が胆道側に逆流しやすくなり、胆道の慢性炎症や上皮の障害を引き起こします。
その結果:
– 胆道癌(胆嚢癌・胆管癌)のリスクが大きく上昇
– 胆道拡張症を合併することも多い
ここが重要!
→ 膵液が胆道に逆流する異常なので、胆道系のがん(胆嚢・胆管)には強く関係しますが、 → 膵臓側に明確な発がんリスクがあるとはされていません。 → だから「膵管癌との関連性あり」とするのは誤りになります。
◆ まとめ
– 正しい組み合わせばかりの中に、「あやしいぞ?」という一つを見抜けるか。
– 今回の正解は「膵・胆管合流異常症=胆道癌の原因」ではあるけど、「膵癌の原因ではない」という点!











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