医師国家試験 第118回 A-12

問題:
後天性の感音難聴を引き起こすウイルスはどれか。

  • a. アデノウイルス
  • b. Epstein-Barr〈EB〉ウイルス
  • c. 単純ヘルペスウイルス
  • d. 風疹ウイルス
  • e. ムンプスウイルス
【クリックして答えを表示】

正解:e. ムンプスウイルス


最低限これだけ覚えろ!【解説①】

・後天性の感音難聴=ムンプス(おたふくかぜ)が代表的。
・「片側だけ聞こえなくなった子ども」→ ムンプスを疑え!
→ 選択肢eが正解!

普通の解説【解説②】

ムンプスウイルス(おたふくかぜ)は、耳下腺の腫れで有名なウイルス。 でも実は感音難聴(=内耳や聴神経の障害)を引き起こすこともある。

◆ ムンプス難聴の特徴:

  • 発症は小児が多い(特に学童期〜思春期)
  • 多くは片側性(片耳だけ)で起こる
  • 突然発症し、徐々にではなく急に聞こえなくなる
  • 治療しても回復が難しく、後遺症として残ることがある

他のウイルスは基本的に感音難聴とは関係が薄い

  • a. アデノウイルス:風邪や結膜炎の原因。耳の問題はほぼない。
  • b. EBウイルス:伝染性単核球症の原因。感音難聴との直接関係なし。
  • c. 単純ヘルペスウイルス:ヘルペス性口唇炎や脳炎など。聴覚障害は一般的でない。
  • d. 風疹ウイルス:胎児に感染すると先天性難聴の原因になる(後天性ではない)

超わかりやすくて詳しい解説【解説③】

◆ 感音難聴ってなに?
→ 内耳(蝸牛)や聴神経の障害で音が伝わらなくなる状態。 → 「音が聞こえてるけど届かない」イメージ。

◆ ムンプス難聴の怖いところ
– 突然発症する – 治療しても回復が難しい – しかも片耳だけだから見逃されやすい

◆ だからワクチンが大事!
ムンプスワクチン(またはMRワクチン)で予防できる病気。 日本では定期接種ではないため、任意接種を受けてない子どもも多い。

◆ 選択肢の区別ポイント

  • アデノウイルス:風邪・結膜炎が中心。耳の障害とは無関係。
  • EBウイルス:伝染性単核球症の原因。難聴とは関連が薄い。
  • 単純ヘルペスウイルス:口唇ヘルペスやヘルペス性脳炎を起こすが、難聴との関連は一般的でない。
  • 風疹ウイルス:妊婦が感染すると胎児に感染し、先天性難聴(先天性風疹症候群)を起こす。
  • ムンプスウイルス:いわゆるおたふくかぜ。後天性感音難聴(片耳・突然・治りにくい)の典型。

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感音性難聴の原因まとめ|頻度順で押さえる国試&臨床対策

感音性難聴とは、内耳(蝸牛)や聴神経、中枢の障害で「音は届いているのに認識できない」タイプの難聴です。
ここでは、頻度が高い順+特徴で代表的な原因疾患を整理します。


❶ 加齢性難聴(老人性難聴)

  • 最も頻度が高い
  • 高音域から聞き取りにくくなる
  • 両側性・進行性
  • 高齢者の50%以上が該当

❷ 突発性難聴

  • 突然片耳が聞こえなくなる
  • 発症から72時間以内のステロイド治療が鍵
  • 年間10万人あたり30人前後の発症

❸ 騒音性難聴

  • 大音量の環境(工場、イヤホンなど)で長期曝露
  • 高音域から低下する
  • 慢性的に進行する

❹ メニエール病

  • 三徴:難聴+耳鳴+めまい
  • 初期は低音域から難聴が出る
  • 内リンパ水腫が原因

❺ 薬剤性難聴

  • アミノグリコシド系(ストレプトマイシンなど)、シスプラチンなど
  • 高音域の感音障害を起こす
  • 医原性に注意

❻ ムンプス難聴(小児)

  • 片側性が多い
  • 急に聞こえなくなる
  • 後遺症が残ることがある
  • ムンプス罹患者1万人中1~2人程度

❼ 先天性難聴

  • 出生児1000人に1人程度
  • 原因:遺伝性 or 胎内感染(風疹、CMVなど)
  • 新生児聴覚スクリーニングで発見されることが増えている

■ 感音難聴の原因を一気に比較!

原因頻度特徴
加齢性難聴★★★★★両側性・高音域から進行
突発性難聴★★★★☆突然片耳・ステロイド治療
騒音性難聴★★★☆☆高音域障害・慢性進行
メニエール病★★★☆☆難聴+耳鳴+めまい
薬剤性難聴★★☆☆☆アミノグリコシド・シスプラチンなど
ムンプス難聴★☆☆☆☆片耳・小児・予防はワクチン
先天性難聴★☆☆☆☆遺伝/胎内感染(風疹・CMV)

■ まとめ

感音性難聴には多くの原因があり、年齢・発症の仕方・環境・既往歴から絞り込むのが基本です。
特に国試では:

  • ・急に片耳聞こえない → 突発性難聴/ムンプス
  • ・両耳+高齢者 → 加齢性難聴
  • ・薬剤歴あり → 薬剤性難聴
  • ・めまいもセット → メニエール病

この視点を持っておけば、感音難聴の問題はかなりの確率で正解できます

◆ まとめ
後天性で片側性の感音難聴といえばムンプス
早期にワクチンで防ぐことが一番の予防策。