問題:
症状と原因となる臓器の組合せで正しいのはどれか。
- a. 嚥下障害 ― 小脳
- b. 嗄声 ― 中脳
- c. 眼瞼下垂 ― 延髄
- d. 発語失行 ― 大脳
- e. 嚥下時の鼻咽腔閉鎖不全 ― 脊髄
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正解:d. 発語失行 ― 大脳
最低限これだけ覚えろ!【解説①】
・発語失行(言いたいことはあるが口がうまく動かせない)は大脳の障害で起こる。
→ 運動性言語領域(前頭葉・下前頭回)や、運動プランニングの中枢の問題!
→ よって正解は d. 発語失行 ― 大脳
普通の解説【解説②】
それぞれの症状が、どの中枢神経系の部位に関係しているかを見分ける問題です。
発語失行(apraxia of speech)は、言語そのものの理解・発声能力はあるのに、
言葉として発音する運動がスムーズに組み立てられない状態。
→ 原因は大脳(前頭葉)の言語運動中枢の障害です。
他の選択肢はすべて、関係する脳部位が違っていて誤り。
- a. 嚥下障害 ― 小脳:
小脳は運動の“調整”に関わる領域で、嚥下運動の中枢ではありません。
実際に嚥下に関わる中枢は延髄の孤束核と疑核(舌咽神経・迷走神経の核)です。
→ 小脳病変では協調運動障害は起きても、直接的な嚥下障害は起きにくい。→ × - b. 嗄声 ― 中脳:
嗄声(かすれ声)は、声帯がうまく開閉できないことで起こります。
声帯の動きは迷走神経(反回神経)支配であり、その神経核は延髄にあります。
→ 中脳は動眼神経や眼球運動に関与する領域で、発声とは無関係。→ × - c. 眼瞼下垂 ― 延髄:
眼瞼を持ち上げる筋肉(眼瞼挙筋)は動眼神経(第3脳神経)によって支配されています。
動眼神経の核は中脳にあるため、延髄病変では眼瞼下垂は起こらない。
→ 延髄ではなく中脳が障害されると眼瞼下垂が起こる。→ × - e. 鼻咽腔閉鎖不全 ― 脊髄:
鼻咽腔閉鎖不全とは、喋ると鼻に抜ける声になったり、飲み物が鼻に逆流したりする状態。
これは軟口蓋の挙上不良によって起き、舌咽神経・迷走神経が関与。
これらの神経の核も延髄にあるため、脊髄障害では起こらない。→ ×
超わかりやすくて詳しい解説【解説③】
◆ 「その症状ってどこが悪いの?」を問う問題
この手の問題では、症状の機能解剖をどれだけ理解しているかが問われます。
▶ 発語失行とは?
・言葉は理解できるし、発音もできるけど…
→ 言葉を口に出すときの動作のプランが崩れる(まさに“失行”)
・原因は大脳の前頭葉運動野周辺の障害
▶ 他の選択肢はなぜ誤り?
- 嚥下障害 ― 小脳: → 小脳は運動の調整機能で、嚥下の直接中枢ではない
→ 嚥下中枢は延髄(孤束核など)にある - 嗄声 ― 中枢: → 声帯を動かすのは迷走神経(延髄由来) → 中脳は動眼神経・上丘など、音声とは無関係
- 眼瞼下垂 ― 延髄: → 眼瞼を開く筋は動眼神経支配(中脳由来) → 延髄ではない
- 鼻咽腔閉鎖不全 ― 脊髄: → 鼻の後ろが閉まらず、空気が鼻に漏れる現象 → 舌咽・迷走神経(いずれも延髄由来)で起こる → 脊髄とは無関係
◆ まとめ
「機能解剖」問題は、症状×脳部位の組み合わせ暗記が王道!
特に言語=大脳前頭葉、声帯=延髄、眼=中脳は頻出なので押さえておこう!











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